射水市議会議員 東保 力
Ⅰ あらまし
９月定例会は９月７日招集され２１日までの会期１５日間と定め、議案第６０号平成１９年度射水市一般会計補正予算（第２号）等特別会計補正予算、条例、工事請負契約等の議案２７件、認定１２件（「平成１８年度射水市一般会計歳入歳出決算認定 １件」「平成１８年度各特別会計歳入歳出決算認定 １１件」）、議員提出議案１件（「道路特定財源に関する意見書」）が提案され、認定１２件は決算特別委員会を設置のうえ委員会付託し継続中の審査としたほかはいずれも原案通り可決いたしました。
Ⅱ 議会の焦点
１．射水市総合計画基本構想及びに基本計画の策定について、射水市総合計画審議会に諮問し会長から市長に答申が提出されました。総合計画基本構想の策定は、議会の議決事項です。この総合計画は、射水市が誕生して初めての総合計画で、今後１０年の計画として射水市の将来を決めていく極めて重要な構想、計画です。ある意味では百年の大計、構想でなければと私は考えております。
先の合併協議会において策定された新市建設計画と射水市総合計画との調整、整合性については、新市建設計画を十分尊重し整合性ある射水市総合計画にして平成２０年度からはこの射水市総合計画に添って事業を推進していくとのことでです。
議会では、この総合計画基本構想について全員協議会を何回か開催して策定の進捗状況と構想の説明を聞き議論してきました。今議会でも議員全員から意見を聞く全員協議会を開催し調整しました。全員協議会では、この基本構想に対する議論の深まりが今ひとつ足りなかったようで、私自身反省をしています。今後、総合計画基本構想及び基本計画に添って実施計画が作成されます。次の１２月定例議会に実施計画の一部が説明され、３月定例議会前に議会で全員協議会が開催され説明のうえ、概ね議会の了承のもと２０年度の新年度予算から反映されるものと思います。
２．平成２０年度予算編成について、先般、国において、平成２０年度の概算要求予算、概算地方財政計画が発表された。この計画によると２０年度も三位一体の財政改革を受け本市においても厳しい予算編成になるであろう。また、射水市総合計画のスタート年であるが厳しい財政状況でありながらも計画に添い、市民に夢と希望のもてる事業に重点をおき予算編成をしていきたい。
その為にも地域経済振興予算等を優先的に予算措置し、自主財源の確保に努めるとともに、総合計画事業の優先度合いの高い事業を実施していきたい。また、人件費等経費の削減、補助金等の見直し削減について厳しい対応、処置をせざるを得ないが、行財政改革を徹底し、射水市民が元気のでる予算編成に苦心したい。特に総合計画のまちづくりの基本理念である①きらめく未来 ②ひろがる安心 ③あふれる 元気 に添った予算編成をしたい。
３．射水市民病院の医療体制の充実と医師、看護師の確保について、このことは市民病院の喫緊の課題です。不足の医師については、関係機関の協力を得て優秀な医師を充足することができ、また看護師ついては給与及び勤務体制の見直しを図り、看護師やそのスタッフの確保ができました。我会派の代表質問では、今後とも医師、看護師等が、安心、安定して勤務できるように、院内に保育施設を設置する考えはないか。さらに、中核医療機関の公的病院としての地域住民に信頼され親しまれる市民病院としての施策について質しました。院内保育施設については、院内関係者のアンケートや全国、県内の実態を調査し検討してみるとのこと。
また、市民病院の経営状況は、院長はじめ関係者の献身的努力に敬意を表するものですが、医療制度の改正もあり１８年度病院決算において４億２千万円の当年度純損失、累損で５億９千８百万円計上されました。貸借対照表の資本金は６０億３百万円で資本合計５４億４百万円になり厳しい経営状況です。この欠損状況は、減価償却費３億１千６百万円以上の欠損であり、企業債償還金とその利息分合計３億９千６百万円相当の資金が必要のうえ、医療費の未収金が９百６十万円にのぼり、今後は市の繰入金１億６千万円だけでは資金繰りが出来なくなるのではないかと懸念されます。最悪の経営状況にならないうちに、特色ある病院としての抜本的な改革が必要ではないか。場合によれば、公設民営化や氷見市が進めるような指定管理者制度等の導入について検討していくべきでないかと私は質しました。
４．射水市としての中古車ビジネスの対策と対応について、議会では現地調査並びに有志でロシア･ウラジオストックへ視察訪問団を派遣して中古車ビジネスの実態調査を行っています。市長とのタウンミーティングや先日の知事のタウンミーティングでもこの中古車販売業者のコンテナハウスが建築法上の違法建築ではないかとの当該市民の質問に、知事は合法であると指摘され、県として取り締まることができない旨、答弁された。県議会でもこの９月議会で質疑論戦がありましたが結論は同じです。地区住民からは、安全で安心して住める住環境の確保について署名され改善の陳情書が提出されており、市も県も場合によっては国も巻き込み、大江地域を中心としたこの中古車ビジネスについての周囲環境の安全と秩序維持に実効性ある具体的な施策を実施してほしい。妙案はないようですが、中古車ビジネス業者と地域住民の融和と安全確保についてあらゆる手段を講じてほしいことを強く要望しました。
５．統合庁舎建設問題について、市長は過日、会から答申を受け市民の様ざまな考えを踏まえ、議会と十分検討して総合計画と整合性をもたせ庁舎建設の基本計画、実施計画、工事着手、完成について概ね５～６年を考えていることを表明された。安全、安心のまちづくりへの消防団員確保の協力体制と市職員の団員としての参加について。子育て支援隊の設置と今後の活動への助成施策、対応について。教育基本法の改正と今後の教育委員会制度のあり方、教育長の任命、職務について。学校給食と食育、中国産食品他食の安全性、センター方式か単独校方式かの今後の調理方式の方針について（私は、センター方式推進派です。市もそのようです。）。コミュニティバスの利用促進の改善策と将来像、待合室の設置方針について。市民協働について、条例が制定され『市民協働課』も設置されましたが市民にどのように協力を呼び掛けどんな仕事を協働してもらうのか。区画整理事業による土地の固定資産税の課税（宅地課税のはずが田、畑の課税でなされている実態）への公平、公正な課税のあり方について。等など市政全般にわたり活発な議論をいたしました。
Ⅲ 可決された議案
議案第６０号 平成１９年度射水市一般会計補正予算（第２号）
これは、歳入、歳出を８億５５，７７７千円を増額補正し、その合計総額３５９億７，７４６千円にするもの。
議案第６１号から６６号 平成１９年度射水市特別会計（射水市ケーブルテレビ事業、射水市墓苑事業、射水市介護保険事業、射水市下水道事業、射水市農業集落排水事業、射水市病院事業会計の６特別会計事業）補正予算
これは、各特別会計の合計歳入、歳出を２億４９，８３８千円を増額補正し、その合計総額３８２億１１，８７９千円にするもの。
※ 一般会計と各特別会計の歳入・歳出総合計予算は、７４１億１９，６２５千円
（詳細、新規事業等の箇所付け予算については東保 力ホームページでご覧ください）
議案第７２号～７６号は、「射水市立公民館条例」「射水市新湊博物館条例」「射水市大門総合会館条例」「射水市陶房匠の里条例」「射水市正力・小林記念館条例」の一部改正について
これは、各館の管理を指定管理者に行わせることができるよにするため、所要の改正をするものです。
※ 新湊博物館については、館の管理は指定管理者が行い、ソフト事業の運営は市の直営で行います。
議案第７９号、８０号 動産の取得について
７９号は、高規格救急自動車１台、高度救命処置用資機材一式 ３０，３４５，０００円（消費税込み）
富山日産自動車株式会社 納期 平成２０年２月２９日で購入契約を締結するので議会の議決を求めるもの。
８０号は、消防ポンプ自動車（ＣＤ－Ｉ型）２台 ２１，５２０，０００円（消費税込み）
長野ポンプ株式会社製 納期 平成２０年２月２２日で購入契約を締結するので議会の議決を求めるもの。
※ 池田分団、太閤山分団に配備予定。
※ 市と議会は両輪で安心、安全のまちづくりに努力しています。
議案第８１号～８５号 射水市新湊中央文化会館改築工事請負契約（建築工事、機械設備工事、電気設備工事、舞台機構工事、舞台音響設備工事、舞台照明設備工事）について
これは、射水市新湊中央文化会館が建築後３０年弱経過し、その耐震・外壁等工事、大小ホール等の機械設備、電気設備、舞台機構、舞台音響設備、舞台照明設備の更新工事を３ヵ年計画てそれぞれ工事を実施するもので、落札工事業者と請負契約を締結したいので議会の議決を求めるもの。
建築工事 ４億３３，６５０，０００円 川田工業・くみあい建設ＪＶ 工期 平成２１年８月３１日
機械設備工事 ２億３８，３５０，０００円 三機工業・北野テックＪＶ 工期 同上
電気設備工事 １億５２，２５０，０００円 きんでん・電協舎ＪＶ 工期 同上
舞台機構工事 １億８０，６００，０００円 三精輸送機株式会社 工期 平成２０年６月３０日
舞台音響設備工事 １億６１，７００，０００円 不二音響株式会社 工期 同上
舞台照明設備工事 ２億２５，７５０，０００円 丸茂電機株式会社 工期 同上
工事代金合計 １３億９２，３００，０００円
※ 新湊中央文化会館の大小ホールは来年１月から６月まで工事のため休館します。
※ ＪＶは、共同企業体のことです。